【08.03.26】石田正子ニュース１３９号作成しました
桑名市議会は３月５日から２７日までおこなわれました。
市民の望む公的サービスになるのか
民間委託・指定管理者制度の導入がすすむ
桑名市の新年度予算が市議会定例議会で審議されました。
今回の予算では行政改革をさらに進めるものです。保育所・学校給食の調理業務委託がさらにすすめられ、窓口業務委託もさらに実施されます。すでに戸籍・住基・印鑑等の入力業務が委託されています。
指定管理者制度の導入も目白押しです。今後さらに進めていく方向です。
今回、清風園、スポーツ施設を含む公園や駐輪・駐車場等が対象となっています。
問題なのはなぜ民間が安いのかということにあります。差異は人件費です。民間の方が低賃金労働になっていることや、今問題になっている派遣労働が増加していることにあります。正規化をして労働対価にみあう報酬を受け、職場でのコミュニケーションを高めていくことこそが市民サービスの向上になるものです。目先の額面だけの数字的比較でなく、丁寧に市民と心通うサービスができることで努力しなければならないことです。表面に見えないリスクの大きさに気付いたころには深刻なサービス低下につながっていくと思います。日本共産党は福祉など行政が責任をもっておこなうべき事業は、民間任せにすべきでないと主張しています。
●公の施設の指定管理者制度とは？
市が設けている公の施設の維持管理や業務の運営だけでなく利用許可など、株式会社も含めた事業者に任せていくという制度です。この制度は、地方独立行政法人、構造改革特区と並んで公務を民間に丸投げする手法の一つです。
『偽装請負』にならないのか
業務委託をおこなうことについて全国で『偽装請負』の問題が発生しています。民間労働者が自治体労働者と一体になって申請や各種届を受理し、データを入力する業務に従事していることが問題になっています。
給食の調理業務にしても給食施設や調理用具は請負業者が準備したものでなく、自治体が整備した施設・設備・器具を使い、調理にあたっては職員（栄養士等）が調理員に直接指示しています。『偽装請負』を選びながら、子どもや保護者には、『民間委託しても食材や献立、調理に責任をもつので給食内容は低下しません』と約束すればするほど『偽装請負』という違法行為に陥っていることが明らかにされてきています。
桑名市において契約上問題はないかの質問には「問題ない」ということですが、全国で問題になっている『偽装請負』の懸念があり、実態を検証すべきだと考えます。私の質問に対して当局は、「チェックしていく」という答弁でした。
派遣労働者増加の実態について
派遣労働が増えていることについて問題を取り上げました。行政においても非正規雇用がすすんでいることを問題にしました。当局は企業誘致をすすめており、その企業は正規雇用をすすめていく確認をしているという答弁でした。企業誘致だのみには疑問が残る答弁でした。
日本共産党は志位和夫委員長が国会で派遣労働の問題を取り上げたことは全国で大きな反響があり、共感するメールやご意見が寄せられています。その後、大手企業のキャノンやいすゞで正規雇用が実施されるなど潮の流れに変化がありました。
労働者を守る労働法の実施が望まれるところです。
正規職員の過半数割れは改善を要すると答弁
桑名市では非正規雇用がすすみ、正規職員が過半数を割っている職場があります。「集中改革プラン」で人員削減をさらに進めていることを問題にしました。毎年契約更新を繰り返す非正規雇用のあり方を追及しました。特に専門職が非正規雇用であることは重大な問題です。改善を求めました。
保育士については３年前に５３％あったものが、昨年度４３％、今年度は４６％に低下していることから、この状態は当局も認めざるをえない実態であり、改善しなければならないことだと答弁がありました。過半数を割っている保育現場には、保育体制がきちんと取れるように早急に体制を確保してもらいたいものです。
高齢者に対しての無料の措置をなくさないで！
70歳以上の高齢者の方で入浴無料券を持っている方は、駐車料金無料の措置がとられていましたが、具体的時期は未定ですが、有料化することが提案されています。中学生以下の児童生徒の方は無料化となり、一般利用者の方は、月4000円が3800円に引き下げられました。市民の負担増がはっきりしていること、当初の利用がのぞめない事等が引下げの要因です。無料化を望む声があり、市民にとっては、無料にすべきではないのでしょうか。高齢者を直撃する医療制度の改悪がすすむなかでの負担増は、市が追い打ちをかけることになることと指定管理者制度の導入に関して指摘して反対しました。
駅北自転車駐車場収支 （当局資料を参考に作成）
歳 入 ２００７年度 ２００８年度（予測）
使用料 駅北駐輪場 １７，２２０，８５０ ２４，７８３，８００
敷地占用 １，８８２ １，８８２
合 計 １７，２２２，７３２ ２４，７８５，６８２
歳 出 ２００７年度 ２００８年度（予測）
駅北管理運営 ２１，２９８，９６４ ２７，０１７，４８９
合 計 ２１，２９８，９６４ ２７，０１７，４８９
収 支 −４，０７６，２３２ −２，２３１，８０７
旧大山田終末処理場地内で 「鉛」が検出されました
昨年９月から今年の２月にかけて敷地内エリアの土壌調査の結果、「鉛」が検出されたことが建設企業常任委員会で報告がありました。
《敷地内を１６エリア（30ｍ格子）に区分、７６箇所の土壌採取による調査》
調査区分 物質名 検出濃度(mg／kg) 土壌含有量基準(mg／kg)
概況調査 鉛 270 １５０以下
詳細調査 440
＊ 周辺への影響を確認するため実施して地下水調査について
は、すべての地点において地下水基準に適合していました。
＊ 立ち入り禁止措置を講じ、今後は三重県の指導を受けて汚染土の掘削除去実施を計画していくとのことです。
＊
地方財政健全化法で自治体財政はどうなるのか
地方財政健全化法の2008年度決算からの本格適応を前に「自治体側の過剰反応」や、「夕張ショック」により「財政健全化至上主義」とでもゆうべき現象が進行しています。「集中改革プラン」の推進による総人件費の削減です。財政健全化法の内容そのものを検討し、住民生活を守るための対応のありかたを検討する必要があります。
地方財政の悪化の原因は、90年代における国の経済対策に地方を動員した結果として地方債残高が累積したことに加えて国の財政保障責任を地方に転嫁したことにより赤字地方債が累増し、公債費圧力となって財政を圧迫していることです。少子・高齢化、環境対策などの需要増や公債費増に対して交付税削減が自治体財源を直撃したことが原因となっています。さらに医師不足や医療費抑制策が地域医療の危機と公立病院会計の悪化をもたらすなど、社会保障構造改革の影響も重大です。地方財政の危機の大半は、国が人為的に生み出したものですが、それを今度は、財政健全化法で「自治体の仕事を捨てることによって赤字を解消せよ」と自治体に迫ることになります。
４指標をどうみるか
�� 実質赤字比率は、普通会計の実質赤字の標準財政規模に対する比率であり、自治体財政の維持可能性を測るための基本となるもの。
＊一定期間内に収支の均衡を回復するような計画策定がもとめられる。
�� 連結実質赤字比率は、全会計の実質赤字の標準財政規模に対する比率であり、全会計の赤字額合計から全会計の黒字額合計を差し引いた額。
＊一般会計を含むトータルな『健全化』がもとめられる。
�� 実質公債費比率は、一般会計が負担する地方債元利償還金・準地方債元利償還金の標準財政規模に対する比率。
＊実質公債比率を下げるためには、新規の起債を抑制すると共に、繰上げ償還を図ることが必要になる。
�� 将来負担比率は、ストック指標であり、公営企業、出資法人などを含めた実質的負債の標準財政規模に対する比率。
＊起債を抑制し、繰上げ償還図ると共に職員の削減や後者・第三セクターの経営改善・整理などが促進されることになる。
今議会では高金利のものを繰上げ償還するとして07年度繰上げ償還対象額、普通会計債１億３９６２万９千円、公営企業債１５億９８９６万１千円《合計１７億３８５９万円》の提案がありました。金利が少しでも軽減できることは財政上良いことですが、そのために人員を削減することや指定管理者制度の活用と民間委託を推進することなどの条件があり、この様な条件をつけることは問題だと指摘しました。
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