【08.12.09】石田正子ニュース151号作成
生活と雇用を守れ
突然の解雇は 路頭に迷う深刻な事態だ
年の瀬を迎え、突然解雇を言い渡された労働者の苦境は、言葉で語り尽くせないものがあります。とりわけ派遣や期間工など非正規労働者は、解雇と同時に寮などを追い出され、生活の基盤そのものを崩壊させられます。文字通り路頭に迷う、深刻な事態です。派遣切りや期間工切りは、労働法制など雇用のルールを踏みにじる無法なもので、規制緩和で非正規労働を拡大してきた政府の責任も重大です。いまこそ政治の責任で無法・違法な解雇をやめさせ、生活と雇用を保障する、実効ある対策をとることが重要です。
雇用悪化は天災ではない・・・『政治災害』
深刻化する雇用問題に対し、日本共産党の志位和夫委員長は12月5日、麻生太郎首相に緊急対策を申し入れ、党首会談でもその実行を求めました。麻生首相は国会答弁でも、雇用情勢の悪化は「アメリカ発の金融危機による『金融災害』というべきもの」といった答弁を繰り返します。しかし、トヨタなどの大企業が派遣労働者や期間労働者を大量に解雇しているのは決して「天災」ではありません。トヨタでいえば、今年度6千億円もの利益を見込み、13兆円もの内部留保をため込んでいます。大量解雇は労働者に犠牲をしわ寄せし、企業だけがもうけを続けるためです。大量解雇による雇用の悪化は、これまでの景気の後退期に比べても異常に速いスピードです。大企業が景気のよいときは派遣など非正規の労働者を増やして利益を上げ、景気が悪くなりそうだとなると、率先して切り捨てているためです。背景には、労働法制の規制緩和で非正規労働者を拡大してきた政府の政策があります。労働者の雇用と生活を守るために無法・違法な解雇をやめさせるのは政府の大事な仕事です。
雇用の不安は正社員にもおよび始めている
友人の葬儀があるので休みが欲しいと言ったら、翌日から来なくていいと言われた。葬儀に出るのに休みをもらえないのかと申し出たら喧嘩になった。こんなひどいことはない。雇ってもらえなくなったから寮を出なくてはならないが、頭金がないからアパートも借りられない。住む所がなくなる。なんとかならないか。
(派遣労働者70歳代男性)
毎日職場の応援で転々としている。ラインをかわる事は工場をかわる様なもの。機械にもなれないことから、今日はどこで仕事するのか不安でしょうがない。おまけに残業や交代勤務がなくなって収入は激減。家のローンをどうやって払うか、困っている。妻もパートに出るようになったが、その仕事も打ち切りで仕事に出られない。ストレスがつのり、今『うつ病』の薬を飲んでいる。中・高生の子どもには教育費がかかる。ローンが払えなくなったら、家を売ることになるが住むところがなくなる。そうなるなら俺が死ぬしかない。
(市内の大手企業の労働者・正社員40歳代男性)
いすゞで非正規の組合が結成されたことが報道されました。ある企業の労働者が昼食中にこの放送を聞いて、多くの人の箸が止まったそうです。
労働者の輪が広がることがなにより大切です。労働者が団結することが大きな力を結ぶ事になるのではないのでしょうか。