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【15.04.15】医療保険の大改悪 国保の危機を深める逆行やめよ

住民の命を守る制度に

体調が悪いのにお金がなく、医療機関にかかるのを我慢し続け、ようやく受診したときは手遅れで命を失うという、痛ましい事態が後を絶ちません。
高すぎる国民健康保険料(税)が払えず無保険になったケースなどです。
医療費の負担軽減こそ急務なのに、国会で審議中の医療保険制度改悪法案は、国民負担増をさらに求める内容です。命を脅かす逆行は許されないと思います。

 浮き彫りになっているのは、国保の機能不全です。市町村が運営する国保は、自営業者や失業者など被用者でない人たちの命と健康を守るための公的医療保険として1961年に始まり、それによって「国民皆保険」が実現しました。
 ところがいま保険料(税)が高すぎるため、全国で360万を超す世帯が保険料を滞納し、多くの人が正規の保険証を交付されず、必要な医療から排除されるという、「皆保険」の空洞化ともいうべき事態を引き起こしています。
 この現状をますます悪化させるのが、安倍晋三政権が今国会で成立を狙う医療保険制度改悪法案です。改悪法案は、国保の財政運営を市町村から都道府県に移管するのが柱の一つですが、そこには保険料の住民負担を引き上げる仕組みが盛り込まれています。
 国保料高騰は滞納世帯をさらに増加させ、国保の危機を深刻化させるだけです。暮らしと健康、命を脅かす改悪はやめるべきです。
 所得の低い人たちが多く加入する国保の保険料が負担能力を超えるほど高い大きな要因は、国庫負担を大幅にカットしてきたためです。
国保の構造的危機を打開するためには、矛盾を激化させる「都道府県化」ではなく、国庫負担の抜本的引き上げなどが必要です。
 国保改悪をはじめ入院給食費の負担増など国民負担増を次々と盛り込んだ医療保険制度改悪法案を衆院でのわずかな審議で可決を強行した自民、公明、維新などの責任は重大です。世論と運動を広げ、廃案に追い込むことが重要です。

 安倍政権が13年12月に強行成立させた「社会保障制度改革プログラム法」は、10%への消費税増税とセットで15年度までに行うべき社会保障関係の法改定の項目を列挙した法律でした。今回の財務省案は、20年までを見通して次なる社会保障制度改悪を準備する内容です。
 財務省は、夏に策定する財政健全化計画に今後の社会保障「改革」の考え方とメニューを盛り込み、年末に具体的な制度「改革」の工程表をつくると表明しています。

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